貧窮問答の歌一首<山上憶良>
講義~「文学のあけぼの」~の今日は山部赤人と山上憶良の歌でした。
前者は奈良時代の宮廷歌人、後者はやはり奈良時代の官人・役人です。
山部赤人の歌「田子の浦ゆ うち出でて見れば ま白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける」は有名です。この歌は「山部宿禰赤人が富士の山を望む歌一首」の長歌に続く反歌として歌われたものです。薩埵峠の東側から富士を見たものと言われているそうですが、数年前に歩いた経験から、さもありなんという思いです。
山上憶良の「貧窮問答の歌一首」は貧しい者と窮した者との問答形式の歌です。
窮した者の方が貧しい者より悲惨だそうです。1300年後の現在でも形を変えて続いているような風景です。
この問答長歌に続く反歌が「世の中を 憂しとやさしと 思へども 飛び立ちかねつ 鳥にしあらねば」です。
役人である山上憶良が、この時代に貧窮問答を通じて世を憂いていること自体がすごい!
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