「安重根は反日主義者ではなかった」
明治42年(1909)10月26日、初代韓国統監の伊藤博文はハルビン駅頭で韓国人安重根に暗殺された。ドナルド・キーン「明治天皇・下巻」(新潮社版)第58章「伊藤博文と安重根」に以下の記述がある。
“安重根は、反日主義者ではなかった。重根が密かに最も高く評価していた人物は明治天皇だった。伊藤博文に対する重根の最も痛烈な告発の一つは、伊藤が意図的に天皇を欺いたということだった。重根によれば天皇が望んでいたのは韓国の隷属などなく、東アジアの平和と韓国の独立だった。・・(中略)・・重根はこれらの男たち(日本人の守備兵、商人たち)から伊藤に対する強い憎悪の印象を受けた。重根は彼らの意見が全日本人の意見を代表していると考えた。”
つまり、“伊藤の取った施政方針が間違っていた・・”ので奸臣を取り除けば、“明治天皇は重根の行動を理解し、喜ぶに違いない、と重根は確信していた。”と、書かれている。
自分が学んだ近代の歴史では、事件そのものは記述されているが、その背景までは書かれていない。単なるテロリスト扱いだったような気がする。
その後、数ヶ月後に迫る日韓併合(今年は併合100年になる)にどうつながって行ったのか興味深い。
写真:今年もシャコバサボテンが咲きました。
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