「因幡の素兎」の政治的な意味
「因幡の素兎」は誰でも知っている古代のメルヘンだが、哲学者の梅原 猛氏は津田左右吉の言として、「古事記」のメルヘンにはほぼすべて政治的な意味があると紹介している。
「因幡の素兎」は、兎が住んでいた隠岐島から対岸の豊穣な因幡にワニを使って渡ろうとした話だ。
梅原 猛氏は“隠岐島から本土へ渡ろうとする島民と、その移住を手伝った船頭のとの間に起きたトラブルと思わせる話”だという。
裸になった兎を元通りの毛並みに戻したオオナムヂ(オオクニヌシ)は出雲の王だ。なぜオオクニヌシが伯耆の国の向こうにある因幡へ渡ろうとした兎を助けたのか?
その理由は、伯耆の国は既に出雲の王朝の支配下だった。次に狙うのは因幡の国だった。
“オオクニヌシが因幡の国のヤガミヒメと結婚することは、因幡の国を出雲王朝を支配下に置くことを意味した。”
それと「古事記」はオオクニヌシの人間に対する優しさを語っているという。彼(オオクニヌシ)は白面の美男子だったに違いないと述べている。詳細は梅原氏の「葬られた王朝・古代出雲の謎を解く」の77ページをお読み下さい。
時代は下るが「竹取物語」も政治的な意味をもつと、別な先生から聞いたことがある。
単なるメルヘンに過ぎないと思っていたことが、実は政治的な意味をもっていたとは面白い。
古代史もおおいに興味がもてそうだ。ただ神様の多数登場し、その名前も覚えられないのには我ながら閉口した。
わが家の門扉横のシャクナゲが咲きました。何となく弱々しく感じるのは気のせいかナ。
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