“六十の坂をこゆ夜ぞ やっこらさ(一茶)”
今、「ひねくれ一茶」(田辺聖子著、講談社文庫)を読んでいる。
文庫本で全643頁、読みでがあり、やっと550頁まで読んだところだ。
タイトルの句が出てきたのもこのあたりだ。
59歳から60歳になるあたり、厳しい雪国の生活を書いている。
「羽生えて銭がとぶなり としの春」
私も方向は違うが15年ほど、一茶と同じ雪深い奥信濃で幼年期から少年期を過ごした。
「ひねくれ一茶」には懐かしい地名が次々と登場する。
善光寺平にはけっこう裕福な人たちがいたんだね。
私の在住時の生活は電気を除いて、一茶の時代とたいして変っていなかったような気がする。
冬は列車が1ヵ月以上も雪害で不通になるなんてザラ、その時はまったくの陸の孤島になった。
一茶の59歳頃、彼は3人目の子ども、石太郎を亡くしている。
私は一茶のこの齢を10歳以上も上回って生きている。
さあ、あと100頁弱、一茶の余生はどう描かれているか楽しみだ。
かつて読んだ藤沢周平の「一茶」と比較してみよう。
« 秋立やこがねの波と大工場 | トップページ | あなただれ優しい保母にすがりつく »
「読書」カテゴリの記事
- 還暦は中間点となる未来(2022.01.04)
- ユニコーン何故か生まれぬニッポンで(2021.12.24)
- 特権を俺に教えた物語(2021.12.02)
- 今風かスネが食われる老夫婦(2021.11.25)
- 納得だ!要点だけのつまみ食い(2021.11.02)
コメント