詩をもって戦後の想い贈呈本
詩人で現代詩人会会員の篠崎道子さんから詩集「窓をめぐりて」を
いただきました。篠崎さんとは高校の同期生、隣町にお住まいです。
詩集は2000年5月2011年3月までのおよそ10年間に、発表いたものの
中から選んだそうです。
短い文章に戦後から現在までの社会を鋭く見ている眼を感じます。
「文月」と題した詩の一部をご紹介します。
“納屋の軒に葉群がさやぐ
切り出されたばかりの若竹 二本
すずしげにたてかけられ
・・・(略)・・・
屋敷林には
かつて 椎や樫が緑衣の襞をかさねていた
青嵐の日 翁を絡めて馬上の童子とし 天空を疾駆した
かつて 欅の古木が千の手をひろげていた
凩の夜 少年の日の北斗星を抱きとめて 揺籃になり
はるか ちちはははの声を聞かせてくれた
母屋の北にマンションが建つと
椎樫欅は伐り倒された
辺縁の竹が跡地を覆いつくした
老いの手に負えない
継ぐ者もいない
・・・(略)・・・
二本の竹が運ばれていく
色とりどりの短冊のように
子供たちがとりついている”
写真:今朝の植物(花ではなく葉が白くなるのでしょう)
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