夏の夜は歴史ロマンに想い馳せ
韃靼疾風録 下巻(司馬遼太郎著、中公文庫)を上巻に続いて読み
終わりました。(「お気に入りの本」参照)
桂庄助とその妻アピアを中心とする壮大な歴史ロマン小説でした。
高校では世界史を選択したはずですが、主として西洋史が中心で東洋
史、わけても中国史や朝鮮半島史を体系的には学びませんでした。
よかったのは、ロマン小説を楽しみながら、明から清への王朝交代期の
歴史を学べたことです。
どうして少数の異民族・女真族(満洲族)が明に代わって清王朝になりえ
たかがわかりました。そして清は270年近く中国を支配したのです。
辮髪に関する記述です。
“留頭不留髪
留髪不留頭”
司馬遼太郎は漢民族、モンゴル、女真族、朝鮮民族、日本人などの特性
を司馬遼太郎の史観で分析しています。
今、日中、日韓がギクシャクしています。この遠因にはそれぞれの民族の
歴史的な特性が背景にあるんですね。同じような顔をしていますが日中
両国民の歴史的、文化的背景はまったく違うものですね。
作者は下巻の中ほどで蘇州についてページを割いています。
私は数年前、現地出身の日本の大学教授の案内で蘇州を先輩と2人と
訪ねました。運河が張り巡らされた旧市街、趣のある多数の橋、寒山寺
の住職との対話など歴史を堪能してきました。
著名な作家が描く蘇州の街を主人公、桂庄助が歩きまわっている姿が生
き生きとと甦ってくるようです。
« 半世紀前のマドンナどんな顔 | トップページ | 忘れたい忘れさせたい本音見え »
「読書」カテゴリの記事
- 還暦は中間点となる未来(2022.01.04)
- ユニコーン何故か生まれぬニッポンで(2021.12.24)
- 特権を俺に教えた物語(2021.12.02)
- 今風かスネが食われる老夫婦(2021.11.25)
- 納得だ!要点だけのつまみ食い(2021.11.02)
コメント