立て直し二千年前おひざもと
文芸春秋11月号のコラム欄「日本人へ・126」にイタリア在住の
作家、塩野七生氏が「イタリアの悲劇」として小文を載せています。
わが日本も来年の消費税の増税でかなりの消費の冷え込みが
予想されます。以下を他山の石として政治を考えてみたい。
要約すると・・
消費が冷え込むとはかくも恐ろしいとは知らなかった。
イタリアは緊縮財政でこの2年、深酷な不況にあえいでいる。
かつては家族を大切にする国民だったが、今は家庭内の殺生沙
汰が連日報道されいてる。
学校を卒業しても職がない。四十男や三十女がいつも家にいる。
麻薬やゲームに出す。金がないから親にせびる。
大企業に何十年勤めてきた父親が「カッサ(労働組合の給与補填
基金)」中、母親は専業主婦、大学出の息子は職が見つからない。
未経験だから経験者を求める企業から遠のくばかり・・。
イタリアの労働者一家の悲しい現実を上記のように述べています。
したがって・・
殺人の原因が恋愛沙汰から貧困と将来不安への怒りからに移る。
この国では増税と税務の警察化によって、更に消費が冷え込んだ。
あれやこれやで租税負担率は平均で53%にもなる。
かくして・・
余裕がないから消費しない人、正社員であっても明日はリストラされ
るかも知れないから消費しない人、職がないから消費できない人、
こうした結果、家も自動車も売上が30%減った。
消費が減れば失業者が増え、
失業者救済のために増税し、
それでまた消費が冷え込む
・・この悪循環が続く。
塩野氏は、この打開策は古代ローマの5賢帝の1人、トライアヌス
の政策にヒントがあると言っています。
幸い手元にこの著書があるので再度読んでみようかと思います。
写真:青空にコスモスが映えていました。
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