迫害に遭うも「魂は売らない」(我不出霊魂)
読んだのは前書に続き「ワイルド・スワン<中>」(ユン・チアン著、講談社文庫)
だった。文庫本だと侮ったら間違い、300頁に文字がビッシリで読み応えがあった。
1960年代の私はアルバイト、大学生、就職、結婚、家を購入など高度成長の波に
も乗って希望溢れる生活を送っていた。
その頃の中国は大躍進による大飢饉、次いで文化革命の大波に翻弄されていた
時期だった。
本書は、そんな時代に生きた著者の家族模様を時代背景を軸に書いたものだ。
“想像を絶する迫害の日々・・・ついに逮捕された父は精神に異常をきたす。 なん
としても夫を救いたい! 母は周恩来首相に直訴すべく、北京行きの列車 に乗
る(本書裏表紙より)”
この時、著者の母は35歳だった。この勇気!この行動力!
自分も若かりし頃、苦労したと思っていたが、そんなものは苦労ではなかった。
生まれたのが日本で良かった。中国で生まれていたら恐らく飢死していたと思う。
幸せでだったと今更思う。
それにしても、中国は無駄な年月を使ったものだ。
革命を成功させた毛沢東の功績は大としても、その後の国家建設には不要な男だ
った言えそうだ。経済建設が20年遅れた理由がここにある。
さてこの国はどこへ行こうとしているのだろうか?人権はどうなる?
今、ラジオでは「最近、習近平は人権者狩りをしている」と、報道している。
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