TPPお前もやはりポチだった
「亡国の密約」(山田優、石井勇人著、新潮社版)を読み終わった。
(「お気に入りの本」参照)
TPPについて、この実態は何なのか? どんな経緯があったのか? などなど・・
私は新聞やテレビでTPPの報道がある都度、断片的に聞いていた程度だった。
本書は冒頭から、南米ウルグアイで1986年に開かれたGATT(関税及び貿易に関
する一般協定」の閣僚会合に遡って多くの頁を割いている。
いわゆるウルグアイラウンドの流れとTPPの流れがほぼ同じだというのだ。
日本に輸入するミニマムアクセス米について、日本は米国と密約があったという。
今も霞ヶ関には、ウルグアイラウンドの亡霊が彷徨っているそうだ。
以下、日米農業交渉秘録、国内了解への道、国家貿易存続の代償と続き、最後に
TPPー日米再「激突」という虚構、となる。なかなか読み応えがあった。
筆者は、巻末でTPP交渉をこうまとめている。
“日本は、米国からアジアにおける「安全保障」へのコミットメントを得る見返りに、
「実利」を与えた、と言えば聞こえはいいが、最後まで中国に対する駆け引きのダ
シに使われたというのが実際のところではないか。米国一辺倒の外交が足元を見
られて、むしろ日本の国益が損なわれたのではないかと感じる・・”
“TPP自体についても、骨抜きにされてしまったと言える。”
それにしても、日本の交渉力は米国に大きく劣るようだ。
情報公開は進まず、国民は官僚の判断の是非を探る資料さえ得るのは困難らしい。
このブログを書いている間にも、ミニマムアクセス米の赤字が積み重なっていく。
もちろん国民の血税で埋めているのだ。
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