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2018年10月31日 (水)

それぞれの老いの彼方は不透明

 2007年ノーベル文学賞を受賞したドリス・レッシング(1919~2013年)の力作
「夕映えの道 よき隣人の日記」(篠田綾子訳、集英社版)を読んだ。

今年読んだ中で、最高に心に残った本だと確実に言えそうだ。
                                 (「生きに入りの本」参照)
訳者あとがきによると、本書の原題は「よき隣人の日記」だという。
「よき隣人」には2つの意味がある。
1つ目は、「汝の隣人を愛せよ」という本来のキリスト教の精神、
2つ目は、英国のボランティア組織(Good Neighbours)、1970年代に発達し、市
       町村組織の公的バックを受けた、老人・病院の介護支援組織で奉仕
              はボランティアが行う。
本書は・・
数年前に、夫と母を癌で亡くし、ひとりぼっちになった高級女性誌の有能な副編
集長ジャンナ、偶然のなりゆきから貧しい90歳過ぎいの老女モーディと付き合うよ
うになった。2人がお互いに反発し合いながら愛情で結ばれていく物語だ。

所々に、英国の階級社会が顔を出す。ジェンナはやり場のない憤激に怒り狂う。
周囲はジャンナを「良き隣人」の一員として認めない。階級の違う者の間に友情な
ど成立するはずがない、と決め込んでいるからだ。

また、英国社会を構成する外国人問題も絵が描かれている。

本書は、単なる世代間交流の物語ではない。ある面では英国の根強い社会問題
を扱った社会派小説と言えるかも知れない。

日々、体が不自由なっていくモーディを見て、ジャンナのひと言が印象的だった。
ーなんという特権、なんとすばらしく貴重なことか、今日1日誰の助けも借りず、
  全部自分でやれることは、
と”
 

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