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2019年1月 4日 (金)

臨界に生きる夫婦の負った影

 2019年読書第一号が「たまゆら」(あさのあつこ著、新潮社版)だった。
あさのあつこの小説を読むのは初めてで、代表作は「バッテリー」だと
聞くが、こちらは読みたいけど未読だ。

彼女の文章は短くかつ感動詞が連発している。
「バッテリ-」も青春小説らしいが、きっと感動詞が溢れているのかも。

人の
生活と山の自然との境界に住む老夫婦の元へ、ある雪の朝、17歳
の少女、真帆子が訪ねてくる。こんな情景から物語は始まる。
前半は、こうした境界を取り巻く風景を淡々と描いている。

真帆子は11歳の時に好きになった恋人を探しに来たのだ。
彼女の恋人は殺人事件を起こして失踪していたのだ。

小説の後半は、伊久男、日名子夫婦の
真帆子の山行きになり、日名子
の過去、伊久男、日名子夫婦の出会いが赤裸々になる。
老夫婦はあるおぞましい事件の影を背負っていたのだ。

本書を読みながら、あるテレビ番組を思い出していた。
確か「こん
な所にポツリと一軒家」とかいう番組だった。今も続いている。
ある日の内容は、山の一軒家に1組の夫婦が住んでいる。車でそこまで
行けるが、その先は道はないか廃道になっている。
家の回りに畑があり、夫婦が静かに暮らしている。そして冬は雪が深い。
番組は、そこに住むことになった夫婦の経緯を追っている。

そんな風景、季節を冬に置き換えれば「たまゆら」の舞台設計はOKだ。
恋を貫いた老夫婦、恋を貫きたい少女、人間の性がこの舞台でぶつかり
合う。心に残る小説だった。







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