「不揃いの長靴が行く雪の葬 石田一郎」
「川柳入門」(杉山昌善監修、メイツ出版)を読んでいた
ら上記タイトルの句が載っていた。
作者の石田一郎さんは、私が18歳まで住んでいた北信濃で
農業を営みながら川柳を楽しんでおられる方だという。
地元の信濃毎日新聞の柳壇選者もされているようだ。
お住まいの地域は、名にしおう豪雪地帯で過疎地帯だ。
市制を敷いた当時、3万人の超えていた人口は今、2万人く
らいだろう。
雪と過疎を詠んだ句を見ると、私には実感として身に迫って
くる。
この本には、石田さんの句がタイトルの句を含めて9句収め
られていて、「木訥なユーモアを味わう」例として紹介され
ているが、私には日頃の生活感をブラックユーモア的に表現
されているように見える。
気に入った3句を紹介させていただく。
喋らなくなった鍋と居る一人
向かい風生きねばならぬ顔になる
働いて働いて過疎になって行く
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