自由とは何かを学ぶルネサンス
『小説 イタリア・ルネサンス』(塩野七生著、新潮文庫版、全
4巻)も4巻目「再びヴェネツィア」に入った。
どうやら、期限内に返却できそうだ。
さて、愛人をフレンツェで亡くしたマルコは、故国ヴェネツィアの
要請で帰国して国政の中枢に関わることになる。
ヴェネツィアの元首は、無念の死を遂げたマルコの親友の父親
で名を「アンドレア・グリッティ」といい、年齢は80代だ。
本書106頁には、このグリッティの政治信条が書かれている。
今、米国と中国が対立している。本文に書かれている「専制君主
政を採る国」を中国と読み替えてみると、まさしく、16世紀後半
の欧州情勢が今と似ているような気がする。以下、要約する。
“1.専制君主政を採る国の君主が、支配下に入った国に対して、
共和政体の温存を認めるなどは絶対にありえない。
2.ヴェネッィアは、建国以来、1千年続いてきた共和政体が最も
自然で最も適している。
3.国力の繁栄と継続は、国民の1人1人が、自由を享受している
か、それともしていないかによるのだ。”
そして“自由とは思考の自由であり行動の自由であり、時には失敗
もする自由だ。人間の活力は、この自由のないところには生まれな
いし育たない。何よりも長つづきしない”
そういえば、近くの大国も専制国家並みだね。
長続きとは百年単位で考える必要性がありそうだ。
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