国の名を読み替えたなら今になる
塩野七生が描いた中世ヨーロッパの戦闘物語の3部作全部を
読み終わった。
3部作とは『コンスタンティノーブルの陥落』(戦闘は1453年)
『ロードス島攻防記』(同1522年)、『レバントの海戦』(同1571年)
をいう。いずれもオスマン・トルコとヴェネツィアが登場する。
今日読み終わったのは『レバントの海戦』だ。
『レバントの海戦』では西欧連合艦隊が、無敵トルコをついに破
った。作者は言う「しかし同時に、海洋国家ヴェネツィアにも、
歴史の表舞台だった地中海にも落日が陽が差し始めようとしてい
た」と。いわゆる歴史のターニングポイントだったという。
巻末近くで以下の文章が目についた。最近、冷え込んでいる日本
と某国の関係に何やら似ているような気がした。
歴史は繰り返すのか?
戦後、帰任したコンスタンティノーブル駐在ヴェネツィア大使が
元老院での報告演説で痛烈に政府を非難攻撃している。
“「国家の安定と永続は、軍事力によるものばかりではない。他
国がわれわれをどう思っているかの評価と、他国に対する毅
然とした態度によることが多い。トルコ人は、われわれヴェ
ネティアが、結局は妥協に逃げるということを察知していた。
我等の彼らへの態度が、外交上の必要以上に卑屈であったか
らである。ヴェネツィアは、トルコの弱点を指摘することを
控えヴェネツィアの有利を明示することを怠った。結果とし
て、トルコ人本来の傲慢と尊大さと横柄にとどめをかけるこ
とができなくなった」”
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