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読書

2021年9月15日 (水)

あぶり出す下流社会の逞しさて

    晴れて暑くなったこの日、公共図書館へ行った。
読みかけの本の返却日が迫ったので借出期間の延長のためだ。
ついでに、新たに数冊の本も借り出した。

期間を延長した本は「大坂民衆の近世史 老いと病・生業・
下層社会」(塚田孝著 ちくま新
書)

本書はまず巨大都市大坂の形成や町の構造の説明から入る。
そして、江戸時代の大坂で市井の人々がどんなふうに生きたか? 
仕事は? どんな人生の荒波にもまれ、どう乗り越えたか? 
・・などに続く。

職業別の解説もあるが、まだそこまでは読み届いていない。
江戸時代の庶民の生活、興味あるテーマだ。
しっかり読み通したい。



 

 

 

2021年9月 4日 (土)

国の名を読み替えたなら今になる

    塩野七生が描いた中世ヨーロッパの戦闘物語の3部作全部を
読み終わった。

3部作とは『コンスタンティノーブルの陥落』(戦闘は1453年)
『ロードス島攻防記』(同1522年)、『レバントの海戦』(同1571年)
をいう。いずれもオスマン・トルコとヴェネツィアが登場する。
今日読み終わったのは『レバントの海戦』だ。

『レバントの海戦』では西欧連合艦隊が、無敵トルコをついに破
った。作者は言う「しかし同時に、海洋国家ヴェネツィアにも、
歴史の表舞台だった地中海にも落日が陽が差し始めようとしてい
た」と。いわゆる歴史のターニングポイントだったという。

巻末近くで以下の文章が目についた。最近、冷え込んでいる日本
と某国の関係に何やら似ているような気がした。
歴史は繰り返すのか?

戦後、帰任したコンスタンティノーブル駐在ヴェネツィア大使が
元老院での報告演説で痛烈に政府を非難攻撃している。
“「国家の安定と永続は、軍事力によるものばかりではない。他
  国がわれわれをどう思っているかの評価と、他国に対する毅
  然とした態度によることが多い。トルコ人は、われわれヴェ
  ネティアが、結局は妥協に逃げるということを察知していた。
  我等の彼らへの態度が、外交上の必要以上に卑屈であったか
  らである。ヴェネツィアは、トルコの弱点を指摘することを
  控えヴェネツィアの有利を明示することを怠った。結果とし
  て、トルコ人本来の傲慢と尊大さと横柄にとどめをかけるこ
  とができなくなった」”
 
   



 

 

 

2021年8月24日 (火)

教訓はここにもあったイスラム戦

    アフガニスタンでは米軍の撤退で混乱が起きている。
そんな折、読み終わったのが『ロードス島攻防記』(塩野七生
著、新潮文庫)だ。

1522年、ロードス島を守る聖ヨハネ騎士団に、オスマン・トルコ
の大帝スレイマン一世が陣頭指揮を取って攻略戦を仕掛けた。
5ヵ月わたる壮烈な攻防となった。本書はこの歴史絵巻を題材
にした物語だ。

当時とは場面、背景とも全く異なるが、それでも様々な教訓を得
られそうだ。

500年前のこの攻防戦でも、両陣営は相手の情報を集め兵站な
どを前以て入念に準備している。また両陣営とも様々な民族で構
成され、各々の役割が決められていた。

特に、イスラム世界に君臨するオスマン・トルコの攻撃は熾烈を
極めたが、スレイマン一世により統率が見事に取られていた。

中世の攻防戦に比べても、今回の米軍の対アフガニスタン作戦
はお粗末といえそうだ。アフガン民族の特性も知らず、タリバンに
対する情報収集も怠ったようだ。気が付けば、タリバンはアフガ
ンの殆どの拠点を制圧していたのだ。

ニッポンの戦後処理には成功したが、ベトナム戦では負けた。
今度はアフガニスタンでベトナムと同じ轍を踏んだ。
歴史は繰り返す。



 

2021年8月12日 (木)

反共を反日とした国のミス

 『お父やんとオジさん』(伊集院静著、講談社版)を読み終
わった。627頁に及ぶ小説だが読み易かった。

小説の時代背景と大筋は・・
日本が太平洋戦争で負けて、朝鮮半島が分断国家(韓国と北
朝鮮)とて独立した。朝鮮人は日本の終戦で半島へ帰る人た
ちと日本に残った人たち別れた。

やがて、朝鮮戦争が始まった。半島へ帰った人たちの苦難が
始まった。親戚、肉親はバラバラになり生活は困窮し、消息
不明者が続出した。

日本で成功し日本に残った栄次郎は、半島に帰った親戚、肉
親を救出するために半島に渡る。
栄次郎自身の親や兄弟、妻の両親、義弟を訪ね然るべき手を
打って日本へ帰る波乱万丈の物語だ。
奇想天外と思われる部分はあるが、そこは小説と理解しよう。

改めて、当時の新聞報道などを思い出した。
連日、北朝鮮と国連軍の戦闘状況が伝えれていた。
そして国連軍の仁川上陸作戦で戦局が変わる。

その中で翻弄される半島の民衆、平和の有難さを感じる。


2021年8月 6日 (金)

家康の別な一面照らしてる

   子どもたちが小さかった頃、静岡県伊東市へ家族旅行をし
たことがあった。その夜に伊東の海岸で花火大会があり、宿
の人に勧められて花火を観に行った。

確か、花火大会の名は不確かだけれど「三浦按針花火大会」
と聞いたと思う。
英人のウィリアム・アダムス=三浦按針、これは日本史で習
ったから知っていた。ただ、彼と伊東市との関係は知らない
ままに今日まで生きてきた。何回も伊豆半島を訪ねているが、
この件で説明を受けていないし、積極的に訊いた覚えもない。

それはさておき、オランダ船で豊後の臼杵沖に漂着し、やが
て家康の側近となったアダムスが、家康の命を受けて伊東で
西洋船を作った縁だと以下の著書で知った。

『ウィリアム・アダムス 家康に愛された男・三浦按針』
(フレデリック・クレインス著 ちくま新書版)だ。

本書は、ウィリアム・アダムスが現在のオランダから5隻で
出帆し、関ヶ原戦の半年前に豊後の臼杵沖に漂着し、やがて
家康の側近(三浦按針)となって、活動する様を描いた一次
資料に基づいたノンフィクションだ。

時代背景は欧州では大航海時代、日本では豊臣から徳川へ
の政権の移行期だった。アダムスを側近とした家康の外交感
覚の鋭さには感服する。
全頁の4割が日本漂着までの航海に関する文だ。大航海時代
の船旅は大変だったんだね。
日本に着いたのはたった1隻だったんだ。


 

 

 

2021年8月 3日 (火)

当たり前いなけりゃ困る仕事人

『交通誘導員ヨレヨレ日記』(柏 耕一著、三五館シンシャ版)な
る本を読み終わった。猛暑の中で読むには適当だった。

著者は73歳、出版社を経営していた末に誘導員に転身したという。
誘導員生活は3年未満らしい。

読後感として率直に言わせていただければ、読んだ後に心に残る
モノがなかったと思う。
誘導現場の例はそれなりに多いが、現場経験を通してこの社会を
どう見るかという著者の基本理念が見受けられない。また、誘導員
として働く者たちの実態を鋭くあぶり出してもいない。
単なる誘導例の羅列で終わったのは残念だ。

現役終了後の小遣い稼ぎや、年金支給開始までのつなぎとしての
職業だとしたら、低賃金で多くの高齢の人たちが働いているのも
頷ける。だとしたら、産業としてどうしたら良いかを述べてほし
かった。




2021年7月25日 (日)

ジキルとハイド亡夫の裏事情

  内館牧子氏と言えば、脚本家で元横綱審議委員会委員
とは知っていたが、加えて作家でも
あるらしい。


同氏の著書を初めて読んだ。
書名は『どうせ死ぬんだから』(講談社版)

主人公は78歳のシニア女性。
夫婦で経営していた酒屋を長男に譲り、近くのマンション
で老夫婦水入らずで悠々自適の生活をしていた。

ところがご主人が突然死してしまう。
葬儀を境に様々な亡夫の隠れていた裏面
が出て来る。
これらの問題を巡って、子供、孫などを巻き込み、物語は
進行する。最後はメデタシ!メデタシ!だ。

不思議に思ったのは、本書には老夫婦の経済問題は一切
しない。いつも成人した孫たちに小遣いを提供する立場
だ。旦那が死んでも金に苦労せず、健康で家族に囲まれて
いる。近頃には珍しく幸せなファミリーだ。

それにしても、死んだ旦那が40数年間、隠し通していた
こととは? 




 

2021年7月20日 (火)

戦いは負ける土俵に乗らぬもの

 やはり予想どうり、読み切るまで今日の昼までかかった。
『小説 イタリア・ルネサンス4 再び、ヴェネツィア』(塩野七生著、
新潮文庫版)のことだ。

このシリーズを読むきっかけは、新聞に載った『美しい老い「恋せず
に死ぬのか」』のタイトルに引かれたからだった。
でも、私からみた感じは壮大な歴史小説と言えそうだ。

本書のフィナーレは、1571年のレパルトの海戦で西欧連合艦隊が
無敵トルコに勝利する場面だ。
イスラム教国で領土拡大策をとるトルコと通商ネットの確保を維持し
たいヴェネツィアが、ローマ法王やスペインなどのキリスト教国が連
合して戦った海戦だった。

連合艦隊の編成も、各国の駆け引きで開戦まで時間がかかった。
単なる海戦模様だけでなく、歴史の流れの中で海戦がどう位置付け
られるかが理解しやすい本だった。

2021年7月19日 (月)

読みたいが進んでくれぬ文庫本

   読みかけ中の「小説 イタリア・ルネサンス4  再び、ヴェネ
ツィア」(塩野七生著,
新潮文庫版)、最終巻の後半に入った。
まだ200頁ほど残っている。

ルネサンス期の「最大にして最後の大海戦」(同書)のレパン
トの海戦に突入していくわけだ。

今日中に読み切るのは不可能だ。
寝る時間などを削って読んでも明日までかかるだろうね。
明日、まとめて載せたいと思う。


 

 

2021年7月17日 (土)

自由とは何かを学ぶルネサンス

   『小説 イタリア・ルネサンス』(塩野七生著、新潮文庫版、全
4巻)も4巻目「再びヴェネツィア」に入った。
どうやら、期限内に返却できそうだ。

さて、愛人をフレンツェで亡くしたマルコは、故国ヴェネツィアの
要請で帰国して国政の中枢に関わることになる。

ヴェネツィアの元首は、無念の死を遂げたマルコの親友の父親
で名を「アンドレア・グリッティ」といい、年齢は80代だ。

本書106頁には、このグリッティの政治信条が書かれている。
今、米国と中国が対立している。本文に書かれている「専制君主
政を採る国」を中国と読み替えてみると、まさしく、16世紀後半
の欧州情勢が今と似ているような気がする。以下、要約する。

“1.専制君主政を採る国の君主が、支配下に入った国に対して、
   共和政体の温存を認めるなどは絶対にありえない。
 2.ヴェネッィアは、建国以来、1千年続いてきた共和政体が最も
    自然で最も適している。
 3.国力の繁栄と継続は、国民の1人1人が、自由を享受している
    か、それともしていないかによるのだ。”

そして
自由とは思考の自由であり行動の自由であり、時には失敗
もする自由だ。人間の活力は、この自由のないところには生まれな
いし育たない。何よりも長つづきしない

そういえば、近くの大国も専制国家並みだね。
長続きとは百年単位で考える必要性がありそうだ。

 

 

 

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